柔整ジャーナル

柔道整復業界のニュースを斬るメディア

柔道整復師に遵法意識はないのか?〜MJGに続き、また景表法違反で措置命令

   

本日、柔道整復に対する新たな「行政処分」のニュースが舞い込んできた。

今回は柔道整復師法違反や医師法違反、不正請求の案件ではない。

景品表示法違反による措置命令、である。

景品表示法について神奈川県のホームページから引用してみる。

消費者なら、誰もがよりよい商品・サービスを求めます。

 ところが、実際よりもよく見せかける表示(誇大広告、大げさな表示、虚偽表示、消費者をだますような表示)が行われたり、過大な景品類(豪華すぎる景品、高額すぎる景品)の提供が行われたりすると、それらに伴い、実際には質のよくない商品やサービスを買ってしまい、消費者が不利益をこうむるおそれがあります。

 このような不当表示や過大な景品類から一般消費者の利益を保護するための法律が「不当景品類及び不当表示防止法」です。正式名称が長いことから、「景品表示法」あるいは「景表法」と省略されます。

 この法律の対象は、食品を含むすべての商品やサービスに及び、表示については、一般消費者に誤認される不当な表示を禁止するほか、景品については、過大な景品類の提供を禁止しています。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/r7b/cnt/f500248/index.html

今回、処分を受けたのは埼玉県にある「株式会社くまのみ」

整骨院やエステサロンを展開している会社のようだ。

違反事実をまとめてみよう。

措置の根拠についてはこうなっている。

埼玉県は、令和5年3月14日、株式会社くまのみに対し、同社が運営する「くまのみ整骨院」等と称する店舗において供給する各種役務に係る取引及び同社が運営する「プレミアムボディバランス(Premium Body Balance)」と称する店舗において供給する「美骨盤矯正+選べる最新痩身5種ダイエット」と称する役務並びに「小顔矯正」と称する役務に係る取引について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号優良誤認)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき措置命令を行いました。

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0310/news/page/news2023031401.html

違反事実を箇条書きにしてみると、こうなる。

①ウェブサイトにおいて、「埼玉県口コミNo1!!」、「くまのみ整骨院・整体院は、大手口コミサイト口コミ数各地でNo1の実績!」等と表示、さらに、店頭表示において、「埼玉県口コミNo1」等と表示するなど、あたかも、自社が運営する店舗が、「口コミ」において高評価であること及び「口コミ」の件数が埼玉県で1位、ないし、各地で1位を獲得したかのように表示していた。

実際には

同社が競合他社との比較にあたり選出した事業者には、同社が競合他社との比較に用いている「口コミサイト」において上位に入る店舗を有する事業者が含まれておらず、統計的に客観性が確保された調査によるものではなかった。

顧客に「口コミ」の投稿を促すため、「口コミ」を投稿した顧客に対し電気治療又は円皮鍼を供与しており、また、「全店舗対抗!くまのみご感想選手権」と称するキャンペーンにおいて、顧客に対し、口コミ投稿の特典として、投稿内容や投稿回数に応じて1万円又は3万円の商品券を供与しており、顧客が自主的に投稿した「口コミ」ではなかった。

②「さいたま市のくまのみ整骨院グループのメディア掲載実績」等と表示、さらに、「今まで当店ではさまざまなメディアにご紹介頂きました。その一部をご紹介致します。」等と表示するなど、あたかも、複数の雑誌の企画又は特集、ないし、テレビ番組で自社が紹介されたものであるかのように表示していた。

実際には

ウェブサイトに表示している雑誌の大半において、雑誌の企画又は特集として掲載されているものではなく広告として掲載されていた。

ウェブサイトに表示しているテレビ番組で紹介されたのは、他社開発の機器であり、自社が紹介されたものではなかった。

③「お客様満足度98.7%」、「Premium Body Balance    埼玉・銀座    痩身結果No.1サロン」等と表示するなど、あたかも、顧客からの満足度が非常に高く、自社が提供する本件役務の痩身結果が1位であると評価されているかのように表示していた。

実際には

実際には、同社は表示の根拠となる調査等の資料を有しておらず、統計的に客観性が確保された調査によるものではなかった。

などがあるが他の項目については埼玉県のホームページを確認していただければと思う。

つまり「嘘をついてお客を呼んでいた」という至極簡単な内容である。

さらに筆者が呆れるのはこの会社の求人サイトでの妄言。

おそらく、措置命令を受けた事で銀行はこのままにはしておかないのが普通である。

「社員の夢を叶える」と書いてあるが、社員の夢は「会社が倒産して自らが路頭に迷うかも知れない」事ではないだろう。

若い柔道整復師に嘘を教え、ルール違反を行わせたことについての罪は、景品表示法より重いのかも知れないと考えるのは筆者だけではないだろう。

しかも、措置命令を受けてなおホームページはそのままにしている感覚が分からない。

この記事を見ている人に考えてみて欲しい。

この表示が「たまたま」だったんだろうか?と。

こんな表示は大量にあることを知って欲しいのである。

以前破綻したMJGについても、景品表示法において措置命令を受けて倒産した事がある。

急成長した「整骨院」倒産の衝撃、コロナ以前から頻発していた“不適切な行為”MJG接骨院〜不信のきっかけは景品表示法での行政指導

柔道整復業界が衝撃を受けた事件であったが、また同じことを繰り返す人間がいたのはどういう事なのだろうか?

不正請求にしろ公告違反にしろ、国家試験漏洩にしろ、柔道整復師とはいったい何者なのであろうか?

ルールを守らない、平気で不正請求を行い、景品表示法さえシカトできる「医療資格」とはいったいなんなのか、筆者も理解できない。

さらにこの業界を代表する公益社団法人日本柔道整復師会は国家試験漏洩事件を受けても何も対応はせず、公益社団法人東京都柔道整復師会は不倫公認、会費を私的に流用、選挙規約を変えてまで保身を図ろうとするなど、これでは「反社会組織」ならぬ「反社会業界」ではないか。

いったい、柔道整復業界はどこへ向かおうとしているのだろう。

 - Uncategorized , , , , , , ,